アイソスタシーのブログ

初めまして。趣味で作詞・作曲をしており、アイソスタシーという名で重音テトオリジナル曲を投稿しております。よろしくお願いしますm(_ _)m

【初心者の曲作り成長日記】[第8回]  安心して使えるコード

第7回→[第7回] コード進行って凄い!

第8回です。前回ついにコード進行に到達しました!今回は、メロディーに似合うコード・似合わないコードについてをざっくりと紹介したいと思います♪ 曲・メロディーのキー(調)を表すアルファベットとコード名を表すアルファベットを同時に登場させると非常に紛らわしいので、メロディーのキーを赤色コード名を青色、と区別して表記します。

 

【メロディー+コード】

 前回は、コード進行自体の心地良さを実感して欲しくて、メロディーなどは付けずに鳴らしてみました。カノン進行なんて、あれだけでもしばらく聴いていられるくらい心地良いですよね♪ とはいえ、ボカロPを目指す!というこのブログでは、やはり主役はメロディーです!では、コード進行はメロディー・曲にとってどんな役割を担うのか?まず聴いて確かめてみますか、、という事で、簡単なメロディーを創ってみました(^_^;) まずはメロディーのみで聴いてみます。 

|ミードレミーソー|ファーーファファミレド|シーソラシーレー|ドーーーーーーー| というメロディーで、”| |”で区切られた部分が1小節(4分音符4つ分=ズンチャッチャッチャッ)です。僕の創ったメロディーがしょぼいせいもありますが、やはり伴奏が無いと物足りないですよね; 実はこれ、前回のC→F→G→Cのコード進行に合うように創ってみたメロディーです。メロディーのキー(調)はCメジャースケールです。コードはそれぞれ1小節ずつに対応しています。早速、このメロディーに、前回のC→F→G→C(そのうち{3}番目のパターン)の伴奏(コード)をを加えるとどうなるか?聴いてみましょう♪

さっきよりは全然良い感じですよね♪ メロディーが良ければもっといいはずです!さらにボカロにして、コードを担うベースやギターが入ると、マジで化けます!! という事で、基本的には曲には伴奏があった方が良くて、そのためにはメロディーに似合うコード進行を付けると良い感じ♪ってのが伝わったら幸いです♪ 

 

【メロディーに似合うコード・似合わないコード】

 先ほど、メロディーに似合うコード進行、とさらっと書きましたが、どうやってそれを探せばよいのでしょうか?本格的なのは、次回(第9回)から始める予定の「初めての作曲編」で具体例と共に実践的にやっていきたいと思うのですが、全く理論0の状態で自由に付けて良いと言われてもかえって難しいと思うので、メロディーに似合うコードと似合わないコードの違いについてをざっくりと紹介したいと思います。

 前回メジャーコードマイナーコードの2種類を学びました。そしてコードはそのルート(根音)によって性質が決まるので、メジャーコード・マイナーコードでそれぞれ12音分、計24つのコードがある事が分かります。しかし、メロディーにはキー(調)があります。上で聴いたメロディーはCメジャースケールで創ったメロディーです。つまりドレミファソラシドと7音全て白鍵だけで鳴らせるキーですね♪  それに対して、C→F→G→Cのコード進行は似合ったのですが、例えばF[ファ-ラ-ド]D[レ-ファ#-ラ]に置き換えて、C→D→G→Cとしたらどうなるか?聴いてみましょう♪

どうでしょうか?明らかに2小節目、Dに変えた部分で違和感を覚えますよね!いったいなんでなのか?ここで試しにD[レ-ファ#-ラ]Dm[レ-ファ-ラ]に変えてみます。C→Dm→G→Cです。ファ#ファに半音変えただけですが....

どうでしょうか?さっきほどの違和感はないですよね!ポイントは、Dメジャーコードの構成音にはCメジャースケール(このメロディーのスケール)には無い音“ファ#(F#)”を含んでいる点にあると考えられます。前回、白鍵だけで鳴らせるメジャーコードは、C、F、Gの3つだけ、マイナーコードは、Am、Dm、Emの3つだけ、と紹介しました。では、思い切って全部白鍵で鳴らせるマイナーコードに変えちゃったらどうなるでしょう?元のC→F→G→CAm→Dm→Em→Amにします!

どうでしょう?雰囲気はガラリと変わりましたが、違和感はそんなにないですよね!つまり、

・その曲(メロディー)のキー・スケールを構成する7音で鳴らせるコードならメジャーコードでもマイナーコードでも使える

んです!ちなみに全部マイナーコードにしたさっきの曲は、もはやCメジャースケールではなくAマイナースケールと呼ぶべきですね。Aマイナースケールも同じく白鍵の7音を使うスケールでしたね(両者は平行調の関係、第5回)。

つまり、CメジャースケールAマイナースケールではいずれも、

C、F、G、Am、Dm、Em

の6つのコード(※1)が“安心して”使える事がひとまず分かりましたε-(´∀`*)。逆に言うと、安心して使えるのは24の内のたった6つだけ!?と思うかもしれないですが、あくまで“安心して”(曖昧な表現ですが;)であって、上手く使えば他のも案外使えたりします(さっきの失敗例を成功させてみました♪→第8.5回)。また、その6つのコードの派生系コードが色々あるので(番外3(準備中)で紹介)、実際は色々選択肢があります!もちろん、前回のカノン進行はこの6つの内の5つのみから出来ていて、未だにヒット曲にも用いられているように、この6つだけでも十分名曲は創れると思います♪

 ちなみに、最初のコード進行(C→F→G→C)と比較すると、CAmに、FDmに、GEmに、とどれも-3キーを下げたメジャーからマイナーへの平行調への移動に相当するコードの置き換えをしました。この置き換えは上のFDmにしただけの時の違和感の少なさからも分かるように、どちらを用いてもそこまで違和感無く使える事が多いので、自由に選べる場面が多い気がします。(同様にマイナーからメジャーへ、例えばDmFへ置き換えたりも出来たりします)。この平行調関係にあるコード同士の置き換えはコード進行を作る際に使える一つの大きなテクニックなので、覚えておくと便利ですね♪

(※1): [シ-レ-ファ]だけ仲間外れ?と思った人は鋭いです。実は[シ-レ-ファ]はメジャーコードでもマイナーコードでも無いんです。なぜなら[シ-ファ]が完全5度じゃなくて半音下の三全音だからです。そのため[シ-レ-ファ]はかなり不協和的な響きを持つ特殊なコードです。この[シ-レ-ファ]をふくめた7つのコードを紹介するのが普通で、その正式名称もあるのですが、本ブログでは[番外1]で軽くだけ紹介します。

 

【コードのローマ数字表記】

 曲のキー(調)が変わる毎に使えるコードの表記やそれぞれのコードが果たす役割の表記が変わるのは色々と不便なので、その曲のキーを原点(I)に取ってコードをローマ数字で表記する事があります。そのコード表記は曲のキーによらないので、移調の際等色々と便利です。実は僕はこの事をつい最近まで知らなかったのですが、コード進行の議論はローマ数字表記でする事が多いので、こういう表記法もあるのかぁという程度で良いので目を通しておいて損は無いと思います。表記のルールは下記の通りで、

・ローマ数字はその曲(メロディー)のキー音を完全1度とした時のコードのルート(根音)の度数に対応する

・完全~度・長~度の場合はローマ数字のみ、短~度・三全音はローマ数字の左に♭が付く

例えばCメジャースケールにおいて、Fというコードのルート(根音)FCから見て完全4度の音なのでIV、といった具合です。そのままCメジャースケールを例に取ると、下のような対応表になります。

 コードのルート(根音)を曲(メロディー)のキー音から見た時の度数

←を半音の上昇数で数えた物

コードのルート(根音) メジャーコード名(英語表記) メジャーコード名(ローマ数字表記) マイナーコード名(英語表記) マイナーコード名(ローマ数字表記)
完全8度 +12 C I Cm Im
長7度 +11 B VII Bm VIIm
短7度 +10 シ♭ B♭ ♭VII B♭m ♭VIIm
長6度 +9 A VI Am VIm
短6度 +8 ラ♭ A♭ ♭VI A♭m VIm
完全5度 +7 G V Gm Vm
全音 +6 ソ♭ G♭ ♭V G♭m Vm
完全4度 +5 ファ F IV Fm IVm
長3度 +4 E III Em IIIm
短3度 +3 ミ♭ E♭ ♭III E♭m ♭IIIm
長2度 +2 D II Dm IIm
短2度 +1 レ♭ D♭ ♭II D♭m ♭IIm
完全1度 0 C I Cm Im


 そして上で説明したひとまず安心して(そのスケール音だけで鳴らせる)使用できる6つのコードは、Cメジャースケールの場合、C、Dm、Em、F、G、Amでしたので、上の表から、I、IIm、IIIm、IV、V、VImに相当します。スケールのキーがC以外の場合は、このローマ数字の並びのまま、Iの位置をそのキーに合わせるように平行移動(この表では上下に)させれば良いのです(この表にはそんな便利機能はないので脳内で移動させます(^_^;))。つまりどのキーでも、

メジャースケールの場合、I、IIm、IIIm、IV、V、VImが安心して使えます。

 次にマイナースケールの場合ですが、これはあまり覚えなくても良いと思います。一応書きますと、例えばAマイナースケールの場合、上の表のIの位置をAにずらすので、Am=ImC=♭III、Dm=IVm、Em=Vm、F=♭VI、G=♭VII、となります。よって、どのキーでも、

マイナースケールの場合:Im、♭III、IVm、Vm、♭VI、♭VIIが安心して使えます。

 

 上に関連して、とりあえずこれだけは覚えておくと何かと便利な事は、

・完全5度上昇と完全4度下降は同じ音名に到達する(1オクターブ違い)

・完全4度上昇と完全5度下降は同じ音名に到達する(1オクターブ違い)

これは完全5度上昇は+7半音、完全4度下降は-5半音、1オクターブが12半音分だからです。例えば、ド(C)から完全5度上昇はソ(G)ですが、ド(C)から完全4度下降もソ(G)(1オクターブ下)です。つまりソ(G)から高い方へのド(C)は完全4度上昇になります。同様に、ファ(F)から見て完全5度上昇はド(C)になります。

 

【参考文献】

OKAKA, 2018, マイナーキーのディグリーネーム, ベースの初心者, https://bass-beginner.com/theory/degree_m.html

内山敦支, 2019, フラット系三種のノンダイアトニックコード(同主調マイナーからの借用), うちやま作曲教室 ポップス・ロックの作曲に取り組むあなたのためのサイト, https://sakkyoku.info/theory/flat-nondiatonic-threetypes/

 

 今回は安心して使える6つのコードについて紹介しましたが、「安心して使えるコードだけじゃ無難すぎてつまらない!それ以外のコードも使えるなら使ってみたい!」という人は、ちょっと難しめの内容ですが、第8.5回を見る事を是非おススメします!

第8.5回[第8.5回] 部分転調(借用和音)

 そして、第4回から計5回に渡って基本的な音楽理論を学びました。僕が人生で初めて作詞・作曲をした時に学んだ量も丁度これくらいで(実はもっと省いて学んでた事に気づきましたが(^_^;))、多分丁度頃合いだと思うので、次回(第9回)からはからはいよいよ「初めての作曲編」に入りたいと思います!(回数はそのまま受け継いで次は第9回です♪)

 その前に休憩がてら、幾つか音楽理論編の延長として、もう少し理論を学びたい人、もう少し色んな種類のコード(セブンスコードとか)を使いたい人向けに、番外編として計3回掲載する予定です。その後で「初めての作曲編」を始めますので、少しだけお待ちくださいm(_ _)m →「初めての作曲編」を始めました!(2020/1/15)

番外1 →[番外1] 最も基本的なコード進行とその理論

番外2 →[番外2]  セブンスコードとドミナントモーション(準備中)

番外3 →[番外3]  その他のコード(準備中)

次回(新章「初めての作曲編」開始!)→[第9回] 色々な作曲法

 

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